こんにちは! Naga-sanです。
今回は自動車保険関連記事です。その6回目ですかね。
今回のテーマは交通事故の被害者は弁護士委任した方が良いか?です。
そのメリットとデメリットについて、損保会社の事故対応担当者目線でお伝えします。
この記事のコンテンツ、、、
です!! 😀
弁護士委任する事のメリット
先ず、大きな事故に遭ってしまった場合は、弁護士委任は即すべきです。
仮に損保会社の事故対応担当者の私が大きな怪我を負うような交通事故に遭ってしまったら、間違いなく弁護士委任します。
この場合の弁護士委任するメリットはかなりあります。
それ故、以前の記事でも書きましたが、自動車保険に弁護士特約は必ず付けておくべきなんです。
そんな弁護士委任するメリットを整理すると、、、
・損害賠償額が上がる可能性が高い:ある程度の怪我をしている場合、慰謝料は弁護士基準の方が有利
・加害者側保険会社との交渉をする必要がない:加害者側の保険会社は、定期的に怪我の状況を確認するためコンタクトをしてきます。そして怪我の回復具合から賠償治療期間(怪我の治療費を保険会社が支払う期間)について打診してきますが、そのような煩わしさがない。
・被害者請求処理を全て弁護士がしてくれる:後遺障害の可能性がある場合の申請処理や仮に非該当になったとしても、優秀な弁護士であれば異議申し立てをして該当させるようなアクションもしてくれます。
更には交通事故の影響で仕事を失ってしまった、最悪は寝たきりになってしまった、死亡してしまった、、、
このようなケースでは自身で判断できない事が多発しますので、
弁護士委任は必須と考えていた方が良いですね。
弁護士委任する事のデメリット
弁護士委任のデメリットは、、、
・弁護士費用負担:着手金や報奨金の支払いがありますから「弁護士委任すれば賠償額が増える!」と必ずなるわけではないのです。この着手金や報奨金を賄う事ができるのが、自動車保険の弁護士特約になるわけですね。
・賠償金が支払われるまで時間を要する:当然ですが、弁護士が加害者保険会社の間に入って交渉しますから、示談して賠償金を受け取れるまで時間が掛かります。訴訟にでもなったら更に時間が必要です。(1年以上はざらです)
・必ずしも賠償金が上がるとは限らない:事故の程度が小さく怪我も軽傷な場合、思ったほど賠償額が上がらない。過失割合がある場合は更に厳しくなる。
弁護士委任するには、
デメリットが少ない事故状況か?で判断する必要があります。
弁護士委任するタイミング
弁護士へ委任するタイミングについてです。
大きな事故の被害者になってしまい、怪我も大きかったら、なるべく早めに弁護士委任した方が良いです。
更に、過失割合が自身にもある場合は、なおさらです。
入院や長期リハビリしなければいけない怪我、
更には後遺障害の可能性がある場合、自分自身や家族が加害者側の保険会社と交渉するのは精神的にも肉体的にもきついです。
このような事故の場合、
弁護士は被害者側の全面的な擁護者となってくれるはずですので、信頼できる弁護士に直ぐに委任してしまいましょう!!(この信頼できる弁護士というところがポイントです。この辺は次のテーマ(委任する弁護士の選び方)でお伝えします)
次に入院するほどの怪我ではないが、治癒するまで少し時間を要するような場合です。
最初から弁護士委任しても問題ありませんが、当初は加害者側保険会社と直接交渉しても良いと思います。
加害者側保険会社の担当者は、
被害者に対しては基本親切に接しますし、要望にも迅速に対応します。(これ、私が実際にやっているお仕事ですから間違いありません。(^^;)
弁護士を通してしまうと、
医療機関への連絡や休損の支払い等がスムーズに行えなかったりする場合があります。
弁護士委任すると保険会社とは直接連絡する事は出来なくなりますので、タイムラグが発生してしまうんですね。被害者が委任弁護士へ連絡しても別事案で直ぐ対応できない可能性もあるわけです。
ですので、、、
通院している期間は保険会社と直接コンタクトしておき、通院終了後の示談交渉に入るタイミングで弁護士委任するというのも一つの考え方です。
最後に、非常に軽微で、怪我をするとは思えないような事故の場合です。
このような事故でも加害者が了解すれば、保険会社は被害者の怪我対応は一定期間行います。そして通院日数に応じた慰謝料の案内もします。
*なお、加害者側が被害者の怪我を認めない場合、保険会社は被害者の怪我対応はしません。
被害者側は少しでも慰謝料増額を狙い、弁護士委任するケースがありますが、
これはタイミングの問題ではなく、弁護士委任して増額請求してきても保険会社は拒否します。
委任された弁護士の方もお気の毒ですが、
このようなケースの場合、保険会社は訴訟しても構わないという考え方です。
訴訟になれば事故内容も精査されますから、被害者側が勝てる要素はありません。
なにより訴訟になったら相当な時間を要しますの時間の無駄です。
軽微な事故での弁護士委任はする意味がありません。
委任する弁護士の選び方
委任する弁護士の選び方ですが、
弁護士なら誰でも良いという訳ではありません。
それぞれ専門分野がありますから、
離婚問題を専門としている弁護士に交通事故事案を委任しても意味がありません。まあ、当たり前ですよね!!
自分の加入している自動車保険に弁護士特約が付いる場合、
先ずは自身の保険会社に相談してみましょう。保険会社が契約している弁護士を紹介してくれます。
ただし、、、
保険会社が紹介してくれたからと言って、その弁護士が優秀かどうかは分かりません。
実際、私も仕事柄、被害者の委任弁護士を話す機会も多いのですが、
「この弁護士、本当に交通事故の事、分かっているの?」っていう方に結構遭遇したりします。
交通事故の事案内容によっては、
弁護士事務所も経験が浅い若い弁護士を担当させる事もあると思います。
そして弁護士も人間ですから、フィーリングが合う合わないがあります。
ですので、、、
必ず弁護士とは面談して、その人となりを確認しましょう。
それと弁護士特約が付いていても、
必ず保険会社が紹介する弁護士でないと駄目という事ではありません。
自分で選んでから弁護士特約で支払うという事が可能です。
因みに、弁護士特約で支払われる弁護士費用は300万円程度までです。
まあ、訴訟になったとしても死亡事故や重大な後遺障害でない限りは、十分に賄える金額と言われています。
ネット上でも交通事故専門をうたっている弁護士事務所サイトが多数ありますので参考にしても良いと思いますが、かなり内容を盛っている事務所もありますから注意が必要です。
弁護士委任できない場合の対処法
事故が大きく、怪我の程度も大きい(長期加療が必要、入院、死亡)場合は弁護士委任は必須です。
仮に弁護士特約を付けていなくて自身で弁護士費用を負担したとしても、自分の過失が小さければ十分に取り返せると思います。このあたりは弁護士と相談すれば判断できます。
ところが、、、
そこそこの怪我(頸椎捻挫、腰椎捻挫等の打撲捻挫系)はしているものの、自身の過失割合もある程度あった場合、そして弁護士特約は付けていない、、、っと言ったケースです。
この場合はどうしましょうか?
このような場合の選択肢として「交通事故紛争処理センター」に相談するというのがあります。
こちらの組織は公益財団法人で、無料で相談に乗ってくれます。
ただし、交通事故紛争処理センターは「損害賠償額を確定できる状態」で和解をあっ旋するのが業務となりますので、保険会社と賠償額交渉をしている段階で納得できない場合に利用するというイメージになります。
また、必ず自動車(原動機付自転車を含む)との交通事故が前提ですので、
自転車と歩行者、自転車と自転車のような事故は対象となりません。
交通事故紛争処理センターも無料とは言っても相談できる範囲が限られますので、その点は理解しておく必要があります。
交通事故には遭わないのが理想ですが、
万が一遭ってしまった場合に備えて、やはり、自身加入の自動車保険には弁護士特約は付けておく事をお勧めしたいですね。
ではまた...